皆さんこんにちは!
株式会社駒館石商の更新担当の中西です!
さて今回は
大切な家族を偲ぶ~墓石彫刻の実際~
彫刻の現場は、静寂の中に緊張が漂う。
一度の打ち損じも許されない。
石の冷たさと空気の重さが、職人の集中力を極限まで高める。
名前彫りには、工場での彫刻と現場での出張彫りがある。
工場彫り:新設墓石。サンドブラスト機で彫刻することが多い。
現場彫り:既設墓石に戒名や法名を追加する場合。
現場彫りは、既に建っている墓石を傷つけずに作業する必要がある。
風、日差し、湿度、周囲の墓との距離——
すべてを考慮して機材を設置する。
1文字の位置を決めるまでに、何度も墨打ちと確認を繰り返す。
現代の主流はサンドブラスト方式である。
ゴムシートに文字をカットし、その上から研磨砂を高圧で吹き付けて彫り込む。
重要なのは、砂の粒度と圧力。
圧力が強すぎると文字の角が欠け、弱すぎると浅くなる。
また、彫りの深さが均一でないと、光の反射が不均一になり、
仕上がりが不自然に見える。
職人は、手元のバルブを微調整しながら、音と砂の反射で深さを判断する。
経験の積み重ねでしか身につかない感覚だ。
今でも「手彫り」にこだわる職人は少なくない。
特に歴史ある家系墓や神社仏閣の石碑では、
手彫りの温もりが求められる。
ノミと金槌の音が響く中、刻まれる一線一線。
その響きはまるで祈りのようで、現場全体に静かな緊張感が広がる。
石の目を読み、刃先をわずかに傾け、
“切る”のではなく“削る”ように打ち込む。
その連続が、生命の記録となる。
彫刻が終わると、文字の内部を清掃し、残った砂や粉を完全に取り除く。
その後、墨入れ・乾燥・最終確認。
すべてを終えたあと、墓前で手を合わせる。
「これでまた、ご家族が安心して手を合わせられますように」
それが、私たちの締めくくりだ。
現場での名前彫りは、まさに“人と石の対話”である。
風が吹き、光が差し、音が響く。
その中で刻まれた文字は、まるで自然の一部となって永遠に残る。
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